スポーツチャンバラの「練習刀」とは 自作の手順を紹介

練習用スポーツチャンバラ刀 用具

最近スポーツチャンバラ公式が1990年代に販売していた練習用スポーツチャンバラ刀を入手しました。今は販売されていないようですね。高い値段の割に大会では使えないので、それならエアーソフト剣を購入した方がよいよね、といった意見は以前から耳にしていました(笑)。

この練習刀、実は特許の期限がすでに過ぎているので、皆さんに内部構造をお披露目します。安全性の高いチャンバラ剣を自作したい方はぜひ最後までご覧ください。

見よ! これが練習用スポーツチャンバラ刀の中身だ!

こちらは分解した練習用スポーツチャンバラ刀の部品。写真には写っていませんが、この時代の剣には柄巻として横幅1.5㎝の綾ひもが巻かれています。鍔にはゴム製の鍔止めがついていて、鍔がずり落ちないようになっていました。今のエアーソフト剣にはない練習用スポーツチャンバラ刀の特徴です。

構造はいたってシンプル。なわとびの持ち手のような木製の柄に直径10㎜のプラスチック丸棒が刺さっていて、棒の先端にはNRスポンジゴムっぽい緩衝材が接着剤でしっかりついています。どちらも抜けると危ないので結構しっかり接着している感じがしますね。

柄とプラスチック丸棒の接続部。いくら引っ張ってもびくともしない。
プラスチック丸棒の先端。NRスポンジゴムのような弾力の素材が接着材で止められている。

このプラスチック棒、傷がつきづらく、かつしなやかにしなる素材でした。色的にMCナイロンかグラスファイバーかと思って試しに購入してみたのですが、どちらもしなり具合が異なります。触った感じはポリカーボネートに近いのですが、不透明の青のポリカーボネートなんてないはずなので、マイナーな素材を使っていそうです。お心当たりのある方はご一報ください。

柄に小さな穴が開いているのですが、プラスチック丸棒をとめるピンが刺さっていたのではないなと思います。譲り受けた時点で柄の損傷が激しく、断言はできませんが、意味もなくあく穴ではないように思います。

柄に空いた穴。反対側には貫通しておらず、針を差し込んだところプラスチック丸棒に到達していることがわかった。

袋は物打ちの箇所に白い糸でラインが引かれています。30年ほど前は物打ちでしっかりと力の乗った打突でないと一本と判定されなかったので、物打ちの意識をさせるためにも必要だったんですね。

画像の矢印部分が物打ちのライン。これより切っ先で打つことが求められた。

実は見ていただいてわかる通り、この外袋は現行のシームレスな筒状構造ではなく、縦に縫い目があります。これと同じ布は『ユザワヤ』で販売されているのですが……商品名なんでしたっけ……? ブロード生地だったかな。すみません、見つけて喜び勇んで購入したけれど、商品名をチェックするのを忘れました。今度チェックしてきます。

赤いラインのすぐ上に縫い目が見える。練習用の生地は現行のエアーソフト剣より薄い材質のようだ。

最後はスポンジ。中割なしの水道管フォームチューブを使っています。現在販売されている一般的な水道管フォームチューブと比べて密度が高く、しっかりとした材質が使われていたようです。現在使われているフォームチューブより粉になりにくいので、中長期の使用にも耐えられます。

中割なしの水道管フォームチューブ。あくまで個人の感覚だが、このスポンジ素材は劣化しても粉状にはならない印象。

これをすべて組み立てるとこちら。懐かしの練習用スポーツチャンバラ剣の完成です。プラスチック丸棒にスポンジをただ差し込んでいるだけなので、袋の中身に少し余裕があります。振るとスコスコとスポンジが上下に揺れる音がしますが、それくらいの余裕を持たせておかないと硬くなってかえって危険なのです。

練習用スポーツチャンバラ刀を組み立てた様子。ラベルが異なる以外はエアーソフト剣(太剣)に似ている。

実際に身体を打ってみても、プラスチック丸棒の硬さは感じません。エアーソフト剣ではないものの、安全性の高い剣といえそうです。

練習用チャンバラ刀は自作できる?

前述の通り、こちらの練習用スポーツチャンバラ刀は国際スポーツチャンバラ協会の特許が切れているので、仮に同じ構造で制作しても罪に問われることはありません。

ただし、自作した刀の扱いには十分注意が必要です。例えば、この練習刀の中芯は直剣10㎜、スポーツチャンバラの面は10㎜の棒ならやすやすと貫通します。勢いよく突くなどの危険な攻撃を行えば、大事故につながる可能性も否定しきれません。それを理解したうえで、ここから先の作り方を実践する方は、自己責任でお願いいたします。

用意するもの

【材料】※1本分

  • 鍋用木柄:長さ12㎝、1本 ※木の丸棒でもOK
  • プラスチック丸棒(直径10㎜):40cm ※ポリカーボネートやPOS推奨、直径10㎜以下は危険なので使用しない
  • NRスポンジゴム:短辺10㎝以上、厚さ1.5㎝ 1枚
  • 直径4㎝の水道管フォームチューブ:37㎝
  • 黒い布:18㎝×45cm
  • キャップ:1つ ※木柄に径あったキャップを用意
  • 綾ひも:横幅1.5㎝、長さ30㎝程度 1本
  • ビニールテープ:1つ
  • 接着剤:適量
  • 木工用ドリルビット10㎜ ※穴あけは大変なので電動ドリルを使うようにしてください

なお、3〜4本以上まとめて作った方が材料費的にはお得です。

1.各種材料を加工する

鍋用木柄の真ん中に直径10㎜、深さ2~3cmの穴をあける。

NRスポンジゴムを直径7.5㎝の円形にカットし、真ん中に木柄の直径+0.5㎝の穴をあけてドーナツ状にする。

※ドーナツ状にくり抜いた中心部分のスポンジは捨てずにとっておく

2.木柄に開けた穴に接着剤を流し込んで、プラスチック丸棒を差し込む

3.プラスチック丸棒の先端にドーナツ状にくり抜いた中心部分のスポンジを差し込み、接着剤で固定する

4.プラスチック丸棒に水道管フォームチューブをかぶせる

5.黒い布の長辺を縫い合わせたら、先端を写真のように縫う

端0.8㎝くらいを横一直線に縫う。
画像のように先端をひし形上にして、端1.5㎝のところを縫う。

6.5.で縫った布を裏返し、スポンジにかぶせて根元をビニールテープで縛る

7.綾ひもを巻く

8.円形にカットしたスポンジを柄に差し込み、木柄にキャップを付けて完成

自作チャンバラ刀の安全性

新聞紙や段ボールなどで自作したおもちゃ刀と比べれば圧倒的に安全です。新聞紙や段ボールで作ったチャンバラ刀は、一度叩けば柔らかくなり、叩きづらいから距離が近づき、最終的には拳同士の殴り合いになります。それでは安全とは言えません。

かといって頑丈に作ると、当たり方によっては怪我をします。柔らかくてもダメ、硬くてもだめとはなかなかに難しいものです。

その点、今回ご紹介した刀であれば、当たる部分は柔らかく、中にしなる程度の硬さを持つプラスチック棒が入っています。多少叩かれた程度では壊れませんし、当たっても痛くありません。

自作チャンバラ刀のお手入れ方法

練習したり、諸熱環境に放置したりするうちに自然とスポンジがヘタってきますので、定期的にスポンジを入れ替えてください。また、中芯が折れたり、ひびが入ったりしたまま遊ぶのは危険です。少しでも違和感を覚えたら直ちに使用をやめてください。

まとめ

練習用スポーツチャンバラ刀は現在販売されていない、公式のスポーツチャンバラ刀です。しかしながら、大会に出場できないために需要が少なく、製造中止されています。現在、各スポーツメーカーでは1本7,000円~9,000円で販売されていますが、今回ご紹介した方法を試せば、大体1,500円ほどで1本作成することが可能です。

ただし、練習用チャンバラ刀を作る材料を購入すると、最低でも3~4本自作はできてしまいます。もし、自作するなら数本まとめて制作するつもりで検討してみてもよいでしょう。

また、もし安価にチャンバラ遊びがしたいのであれば、当サイト管理人がハンドメイドで販売しているおもちゃのエアーソフト剣もおすすめです。以下のフォームより回答いただければ、後日ラクマより商品ページを作成します。

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選択した値:0
(1本:4,000円)
選択した値:0
(1本:5,000円)
選択した値:0
(1本:6,000円)
選択した値:0
(1セット:9,500円)
選択した値:0
(1セット:11,500円)
選択した値:0
(1セット:8,000円)
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(杖・棒のジョイントのみ:1,500円)
選択した値:0
(槍の柄のみ:3,000円)
選択した値:0
(1本:4,000円)
選択した値:0
(1本:5,000円)
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ご注文の合計が10本以上の場合、発送に2週間以上お時間をいただきます。
旧用具(太剣)と同じ程度の太さをもつ非公式エアーソフト剣です。現行のエアーソフト剣の太さとは異なります。
こちらは公式の用具ではありません。本用具を使用したうえでのトラブルは自己責任でお願いいたします。

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