始めに結論からお伝えすると、ダサいかどうかは人によります。答えになっていないかもしれませんが(笑)。
ただし、30年以上スポーツチャンバラをやっている私の目から見ると、年々そのダサさに磨きがかかってきていると感じざるを得ません。そりゃ、剣道やフェンシング、その他武道をやっている方からしたらスポーツチャンバラは「ダサい」と言われても仕方ないでしょう。
この記事では、なぜスポーツチャンバラがダサい・つまらないと思われるのか、その理由を解説します。
スポーツチャンバラがダサい・つまらないと言われる5つの理由
理由①:武道として歴史が浅い

武道とは、「武士道の伝統に由来する、日本で体系化された武術の修練による心技体を磨く理念」のことです。スポーツチャンバラは戸山流居合道を起源にもつため「武道」と考える人もいれば、「スポーツ」ととらえている方もいます。
スポーツチャンバラを武道として修練している方のなかには、別の流派を汲んでいる方もいますが、そのような方は稀です。多くの人は「スポーツチャンバラという武道をやっている」と考えています。まだ100年も続いていない上に、「スポーツ」の名を冠する競技を「武道」と胸を張って発言しているのは、傍から見ていてダサいです。
ただし、これはあくまで歴史と名前の問題。武道として礼節を重んじている道場は0ではありませんので、体験教室などに参加して興味をもったら、指導者の武道遍歴を確認してみましょう。他流を経験されている方に師事すれば、敷居の高さを感じずに武道の流れを汲んだ練習ができるでしょう。
理由②:護身道として体系化されていない

スポーツチャンバラは戸山流居合道を起源にもち、「小太刀護身道」などと銘打っているものの、インストラクターや師範の資格を持つために護身術の体系的な修練は一切必要ありません。また、武道と護身術は異なるものなので、スポーツチャンバラを「護身道」として指導できる指導者は一人も存在しないと言えるでしょう。
そもそも、「護身道」とは何でしょう。身を守る最大の術は「逃げること」です。トラブルに巻き込まれた後の対処法を教える前に、トラブルに巻き込まれない方法を教えることなのではないかと私は思います。ほど良い人間関係を築く「道徳」や、危険な場所から素早く逃げられる「脚力」があれば十分です。
スポーツチャンバラは筆記試験や推薦、寄付でインストラクターになれるため、自分では習ったことがない・大会に出たことがない人もインストラクターや師範になれます。このような背景をもち、さらに護身道を教えられる指導者がいないので、名前が実態に即していない、軸のぶれたダサい団体だと思われてしまうのです。
理由③:用具が弱そう

現在、普及しているバージョン65エアーソフト剣(細剣)が、おもちゃの剣のような見た目で弱そうに見えるのもダサいと言われる理由のひとつ。刀身は青と黒の2色があり、刀身が黒なのは鞘の色なのかもしれませんが、青は何をイメージした色なのでしょうか……? 柄のビビットイエローは日本刀ではまず見ない配色で、おもちゃ感を助長させます。
スポンジ製の面も、おもちゃの被り物といった見た目で剣道やフェンシングと比べるとダサさが際立ちます。

しかもバージョン65エアーソフト剣(細剣)はとにかく壊れやすい。購入して一週間で空気漏れを起こすこともしばしばです。そうした用具の構造的欠陥を利用して、あえて剣の空気を抜き、鞭のように剣をしならせて攻撃する選手もいます。
そうしたスポーツマンシップのない選手の動画がネットに公開されることで、さらに競技全体のダサさを際立たせ、見ている人をつまらない気持ちにさせているのです。
理由④:名前がダサい

ちゃんばらの語源は、刀で斬り合う際の擬音語「ちゃんちゃん」と敵味方入り混じって戦う様子「ばらばら」を合わせて表現したものという説があります(所説あります)。そこから転じて、子どもたちが棒を手に叩き合う遊びとして定着したものが「ちゃんばら」です。
もとは遊びの名前なので、スポーツだ武道だと言われても真剣味がなくダサく感じますよね。世界に展開するうえで親しみやすい名前にしたいという思いでつけられたのでしょうが、個人的にはまだ「小太刀護身道」の方が、武術の流れを汲んでいると感じられる名前で好きです。
理由⑤:服装がダサい

大会で見かけるのは主に「公式ユニフォーム」「Tシャツ&ジャージ」のどちらか。公式ユニフォームはバリエーションが少なく、かつ値段相応の材質で安っぽく見えますし、Tシャツ&ジャージは町の公営体育館で運動している人たちといった見た目でまとまりに欠けてダサく見えます。スポーツなら相応のユニフォームを、武道なら道着といったように締りのある服装が明確に決まっていないことがダサさを際立たせている要因です。
なお「道着」や「コスプレ衣装」では、帯や服の一部を打たれても一本取られてしまうので、圧倒的に不利な判定を下されます。20年ほど前は道着が一般的でしたし、BLEACH全盛の時代は死神たちが大会会場を跋扈していて面白かったのですが、こうした判定により今では絶滅危惧種といったありさまです。また、服にかすっただけで一本というのは、観戦者の目線では何とも味気ない決着でつまらなく見えるでしょう。
ダサくないスポーツチャンバラの始め方
これまでの話を踏まえて、ダサくないスポーツチャンバラの始め方をご紹介します。
武道に精通した指導者を探す
体験教室に参加されたら、指導者に以下の質問をしてみましょう。適切な回答が得られるならば、安心のできる指導者だと言えます。
これまで経験されている武道やスポーツ | 空手や剣道、居合など武道の流れを汲んでいればOK。そうでない方は武道を経験したことがないので、武道として正しく指導できない可能性が高いです。 |
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大会での戦歴 | 競技人口が少ないので、市区町村の大会で優勝するのは誰でもできます。県大会以上で入賞経験がある方かどうかを確認しましょう。 |
スポーツチャンバラの経験年数 | 5年未満の指導者は要注意。特にこの5年はコロナ禍でどの道場も十分な稽古ができていません。最低でも10年は経験のある方だと安心です。 |
用具代やそのほかにかかる費用を確認する
指導者の人間性を確認するなら、スポーツチャンバラを習ううえでかかる費用をチェックするとよいでしょう。用具を購入するように言われたら、金額を聞いてスポチャンSHOPの金額より高い金額を提示されていないか確認します。
実は、インストラクターや師範の資格を持っている方から購入すると安く購入できるのですが、それを知らない生徒に定価+手数料を請求する悪質な指導者がいるのです。こうした方のいる道場は、用具の修理や遠征費など、その後もことあるごとに高額なお金を請求してくるので、絶対に入会してはいけません。いいカモにされるだけです。
服装や行動など、ダサくない振る舞いを徹底する
スポーツチャンバラをやっている方でも、礼節をもって相手と接することができる方は格好いいです。それは、どの道場に通うかではなく、あなたの心がけ次第。最近では、そうした礼節を感じる振る舞いをされている選手はほとんど見かけなくなってしまいました。
武道やスポーツに興味を持ち、研鑽を重ね、礼節を持って人と接するだけで構いません。ぜひ、よい指導者に師事して、スポーツチャンバラを楽しんでください。
用具に不安があるならこちら
この記事では、現行のエアーソフト剣はおもちゃのように見え、かつ壊れやすいと説明しました。もし、そうした見た目が心配なら、当サイト管理人がハンドメイドしている剣を購入してみてはいかがでしょうか。公式バージョン65とは異なりますが、全体的に黒で統一されたソフトエアー剣です。
こちらでご注文後、数日以内にラクマに商品ページを作成します。ご購入後に製造・発送いたしますので、ご了承ください。
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