スポーツチャンバラ(通称、スポチャン)は、日本発祥の護身スポーツです。この記事では、スポーツチャンバラの起源やルールを詳しく解説します。これから習い始めようと考えている方はぜひご覧ください。
スポーツチャンバラとは

スポーツチャンバラとは、日本を発祥とする世界で親しまれている実践護身スポーツです。使用する用具は空気で膨らませた「エアーソフト剣」と呼ばれる柔らかい剣と、顔を守る専用の「面」のみ。服装に特別な決まりはありません。
剣道のように相手の体に剣を当てることで勝敗が決まりますが、剣道とは異なり当たっても痛くないのが特徴。また誤審を避けるための異議申し立て制度があり、安全性や公平性を重視しているため、年齢や性別に関係なく楽しめます。
チャンバラの語源と意味

「チャンバラ」の語源は、日本の時代劇映画や演劇に由来します。無声映画時代、刀での戦いの音を「チャンチャン」と表現し、敵味方が入り乱れて戦う様子を「バラバラ」と表現していました。これらが組み合わさり、「チャンチャンバラバラ」という表現が生まれ、「チャンバラ」と略されるようになりました。
このことから、刀を使った剣戟シーンの場面を指す言葉として日本中に広く浸透しました。
スポーツチャンバラの起源と歴史
スポーツチャンバラは、1971年に田邊哲人氏が刊行した「護身道」を起源とする護身スポーツです。「使術はすべからく護身から発達する」をテーマに子どもの遊び「チャンバラごっこ」を安全・公平・自由に楽しめるようにルール化し、精神と体力の両面を鍛えることに主眼を置いています。
当初は「全日本護身道連盟」として小太刀護身道を中心に発展しましたが、1990年(平成2年)に「国際スポーツチャンバラ協会」と名を改め、海外選手を招いた世界的な活動を展開するようになりました。
スポーツチャンバラの競技人口
現在、スポーツチャンバラは世界33ヶ国、世界で40万人の競技者が存在しています。学校教育のほか、児童館・公民館など地域の施設でも指導を行っており、気軽に始めやすいスポーツの一つです。
スポーツチャンバラのルール
スポーツチャンバラのルールは「当てたら勝ち・当てられたら負け」というシンプルなもの。打突部位はどこでもOKですが、相手の身体に十分な威力で剣を当てなければ勝利にはなりません。
試合時間 | 一試合は3分間、決勝戦は3本勝負(延長あり) |
打突部位 | 足から面までの全身 |
勝敗の決め方 | 相手の身体に十分な威力で剣を当てることで勝利となる |
スポーツチャンバラの反則① かばい手
小太刀や長剣フリーのように片手で獲物を持つ種目の場合、獲物を持っていない手で相手の攻撃を防ぐ「かばい手」というルールがあります。かばい手と審判に宣告された選手はその手を背中に回し、腕が斬られたものとして試合を再開できます。もし背中に回した手を解除した場合、反則負けとなります。
スポーツチャンバラの反則② 場外
試合中、7m×7mのコートから両足が出る「場外」を行うと一回目は反則、二回目は場外反則として負けとなります。獲物に一定の長さがある槍や棒などの種目では、場外に出やすいため特に注意が必要です。
スポーツチャンバラの反則③ 獲物から手を放す行為
両手長剣や槍・なぎなた、棒・杖など両手で獲物を持つ種目では、獲物から手を放す行為は危険行為として反則を取られます。手を放しながらの打突は有効打として判定されないばかりか、何度も繰り返す場合は反則負けとなります。
スポーツチャンバラの種目
スポーツチャンバラには以下の種目があります。大会では「部内種目」から1種目、「部外種目」から1種目の出場が可能です。それぞれの特徴は以下の通り。
分類 | 獲物の長さ | |
---|---|---|
小太刀 | 部内種目 | 全長60㎝ |
長剣フリー | 全長100㎝ (片手で持つ) | |
二刀 | 右手:全長100㎝の長剣 左手:全長60㎝の小太刀 | |
両手長剣 | 部外種目 | 全長100㎝ (両手で持つ) |
盾小太刀 | 右手:全長60㎝の小太刀 左手:盾 | |
盾長剣 | 右手:全長100㎝の長剣 左手:盾 | |
短刀 | 全長45cm | |
槍・なぎなた | 全長200cm (片端に刃) | |
棒・杖 | 全長200cm (両端に刃) |
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